信じられないと思います。
この旅行全てが誕生日プレゼント。
ココでの宿泊もその中の一つです。
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加賀屋(雪月花) 
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全国の旅行会社が投票する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で
36年連続「日本一」に選ばれた老舗温泉旅館。
泣く子も黙る日本一の知名度をほこる高級旅館じゃないでしょうか。
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不思議なのが日本にある大型高級旅館の多くが加賀屋を目指しているはずなのに、
加賀屋を目指して大きな投資と企業努力をしているのに、加賀屋にはなっていないということ。
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加賀屋にあって加賀屋以外にはないものがあるはず。
それを紐解いてみたいと思いました。
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入って一番最初に思ったのが「巨大」であること。
総部屋数232。
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今回「雪月花」という棟をご用意していただいたんですが、どこからどこまでが加賀屋なのか見当もつかない状態。
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寝室含めて3部屋あり広くて開放的。
広すぎて12.5畳の座椅子には一度も座ることがありませんでしたw
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静かな七尾湾を眺めながらお抹茶。
飲み干す前にまた新しいお茶。
客室係の方のつかずはなれずの間合いも心地いい。
喫煙可能です。
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美術館のような館内。
美術品のわきにあるQRコードをかざせばどういったものなのかの詳しい説明も。
正直、これらをみるだけでも価値がある施設。
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この時、頭に浮かんだのが他の高級旅館との違いです。
客室数が少なく料理や部屋のコダワリにチカラを入れた旅館、超高級旅館は数あれど・・
客室数が多くてゴージャスな雰囲気で演出するリゾートホテルは数あれど・・
似たような旅館って少なくともボクは知らないんです。
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大型になるほど薄れがちな「プライド」と「品格」がしっかりとあることが違いなんだと思いました。
特に「プライド」という言葉は年々、日本人から消えているのを感じます。
・プライドなんて捨てて
・プライドにとらわれず
なんて知ったかのようなキャッチフレーズが、誰にも当てはまるかのように「イイコト」のようにとらえられ蔓延してるようにも感じてます。
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表面上ではない「プライド」が、
「この名旅館をつくる一人である」という従業員さんたちのプライドが「品格」を作り、
「品格」が「一流」を作り、
「一流」が「プライド」を作る循環がキレイに流れているのを感じ取りました。
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逆を言うと、言われたことをすれば給料がもらえる仕事という感覚が作る施設ではかなうわけがないでしょう。
家族経営の宿泊ではあたりまえのようにできることが雇用が多い大型施設では難しい。
難しくてもそこでできたら・・が加賀屋さんなんだと思いました。
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面白いのが帰宅後、加賀屋の批判的なクチコミを読み漁ったことです。
多くはお察しの通り
「こんな有名で高額な宿も低評価できるくらい高級施設に詳しんだぞアピール」
「何年も前の加賀屋にも来てるんだぞアピール」
残りはクレーマーの極みのような背筋が凍りそうな恐怖のクチコミ。
客商売で多くの雇用をして「プライド」を持ち続けることの困難さを思い知りました。
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人をもてなすこと工夫というのは興味があり、どんな気持ち心構えで接するのか、心地いい距離感、空間づくり、すべてが勉強材料です。
一流の美術、工芸品にふれることができるのも知的好奇心がかきたてられます。
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1~3Fにわたる男性の大浴場。
チンチンを揺らしながらエレベーターに乗れる施設は初体験で、
ちょっと変態になったキブンがたまりませんね。
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静寂が写真でも伝わるような七尾湾の夕日を眺めたら・・
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夕食です。
別の部屋をひとつ用意してくださり・・当然喫煙可能です。
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グルメブログにも関わらず・・品数が多すぎて全部掲載できないことお許しください。
お品書きで確認していただけたらと思います。
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今回は5月、カニやブリ、ホタルイカなどの強烈に有名な旬の食材がないのが逆にうれしい季節。
素材だけに頼ることなくそれに匹敵する内容を用意工夫する姿こそ一番求めていたもの。
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高級食材のメッカとも知られる日本海の海域ですが・・それだけではなく・・
輪島塗・九谷焼など、庶民では手が届かないモノホンの器で楽しめる。
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誕生日のお祝いに、ベネディクトの修道士ドン・ペリニヨンにちなんだ名前のシャンパン。
ペリドンです。
マジックアワーの夜空をバックに松の沈金が美しい輪島塗のテーブルにのせられたペリドン。
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ハマショーのMONEYでハジメテ知ったペリドンです。
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ペリドンを呑んだあとはもちろん、森伊蔵の呑み比べです。
※一家心中の前日ではありません。
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能登牛の昆布焼き。
能登半島って魚だけでなく牛や豚も美味しいんですね。
生まれ変わったら能登半島になりたいです。
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こちらで夕食をいただいて思ったのが・・
同じ名前の食材でも本当にいいものは市場に出回らずこういうお店に流れているんだということ。
探し回ってもお金を出しても、いい素材というのは信用で取引されていることを思い知りました。
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加賀屋様の副支配人様も誕生日のお祝いにあいさつしていただきプレゼントまで。
髪の毛を上部から撮影してしまいお詫び申し上げます。
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食通が通う飲食店というジャンルもあると思います。マニアックな店も多いと思います。
ここはそうではありません。
ファミリーなど色んな年齢層、国籍のかたも多く訪れると思います。
その全員が感動する食事を提供するって一番難しいことだと思います。
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ましてやこれだけの客席に届くまでの食材の確保。
その全てに丁寧な仕事で食べる人を想像した盛り付け。
朱塗りが美しいモノホンの輪島塗。
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客室係の方も料理やお酒で盛り上がっているときはいないんですが、そろそろお酒の追加を・・
なんて時はいるんですw
手品みたいですw
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これだけ肉がうまくて魚がうまいのに・・米どころって・・
胃袋苦しくても勝手に口が求めちゃう。
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食事後は宙に浮いてるかのようなデザインのバーしぐれ
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館内どこを撮影してもバエル。
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ドライマティーニでこのバー自体が回っているように思えましたがそんなことはないそうです。
ボクの頭が回っていたようです。
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最後は部屋のみでバースデーケーキ。
ひとりが気づいたんですがかなり有名な方の作るケーキだそうです。
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加賀屋には「プライド」と「品格」がありました。
「プライド」と「品格」は本人のみならず周りも一緒に豊かにするものでした。
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自分自身も、そのプライドは?その品格は?
ひとつひとつ丁寧に、
大切にすべきか捨ててもいいものなのかを考えてゆくことが豊かに生きることへのヒントのように思えました。

加賀屋旅館 / 和倉温泉駅
夜総合点★★★★ 4.2