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- 【スラウェシ島旅行】2023.9

日本から旅たって6日目。
タンココからここナントゥを目指して3泊して4日目。
ようやくたどり着いた決戦の日です。

朝食は昨日の残りの目玉焼きと、脳天を突き刺す甘さのエスプレッソ味のクリームですw

朝5時出発。
ナンヨウショウビンがお見送り。

川を渡り20分ほど歩いた場所になんと小屋が!!

10名ほどの私服警察が待機している場所でした。
おそらく密猟者から野生動物を守っているんだと思われます。

宿から車で2分、そこから歩いて5分だと聞いていたんですが・・・
確実に30分以上歩いてます、いや小走りです。

到着するとココに入れと指を刺されました。
木の葉っぱで囲ったハイド(野鳥観察舎)です。

ついに・・到着です。
何ヶ月も前から憧れていた場所です。
小さな穴から覗いてみれば・・

ここだけ軽い沼地になっていて開けている場所です。
どういう理由かはわかりませんがジャングルの中でも泥でグチャグチャになってしまう場所ができるんですね。

トランシーバーを渡され警察らしき現地ガイドとジャイアンは帰って行きました。
どんな時に連絡するの?と聞けば
「腹が減った時、コーヒーが飲みたい時、タバコが吸いたい時は迎えに来るから一人でジャングルを歩かないでほしい」とのこと。
こんなジャングル一人じゃ歩けるわけないし、あんな遠くまでまた往復したくもない。

8時半観察スタート、リミットは15時まで。
すると1時間ぐらいが経過したくらいでしょうか。
最大の目的であるお目当てが!
奥の茂みから歩いてやってきました。
しかも!オス!

バビルサ (Babyrousa babyrussa)
です。まさに生きる神話。
これが見たかった。
今、目の前に現れてボクのアドレナリンは最高潮。手が震える。

とにかくひたすら泥水を飲み続ける。
人間の場合は困難に立ち向かうときに泥水を飲むと表現しますがバビルサは違う。

バビルサの主食はこの「バンギノキ」
猛毒の青酸化合物が含まれ、泥を食べることでこの毒を中和しているんだそうだ。
全く意味がわからないイキモノだ。
最初から毒なんか食べなきゃいいし、泥なんかで毒が中和されるのも理解不能だ。
でもバンギノキと泥水があってこそバビルサは生きられるということだ。

そして1本牙が折れたオスも後からやってきた。
この牙、全てが犬歯(八重歯)なのだ。
横に広がっているのが下アゴの犬歯、
あろうことか自分の皮膚を突き破って目の下から出てきているのは上アゴの犬歯。
上の歯が上に出てくるとかありえない。
上のアゴから生えたら下に伸びるでしょ!普通!

この牙が長く伸びる理由、それは「モテる」ため。
メスは長くて立派な牙を持つオスに惚れるんだそうだ。
だからオスは牙をぶつけ合い相手の牙を折る。
勝利して牙が残った方がメスとカップリング成立というわけだ。
リーゼントが長い方がカッコよかった時代、喧嘩して相手のリーゼントをグチャグチャにしてオンナにモテる。そんな感じなんでしょうか。

バビルサは泥水を飲んでは森に帰っていく。
何時間も出てこない時間があったがここには水があり野鳥もくる。
チャイロキンバト
ニューギニア島とソロモン諸島そしてスラウェシ島にしかいない。
鳥は陸続きでなくとも渡れるのに不思議だ。

カオジロクロバト
スラウェシ島とインドネシアのトギアン諸島の固有種。
神に使える神官のように見えるのはボクだけだろうか。
珍しい野鳥だがこの沼地にはよくくるという。

イノシシもいました。ちゃんと牙があるのだがバビルサの後に見てしまうとやはり貧相だ。
これではモテない。

ミズオオトカゲ
大きいものは2m50cmにもなるというがこれは1mほどだった。
来る途中に売店の横で見たのもコレだ。
日本に住んでいると普通にこれが歩いているのがすごい。恐竜としか思えない。

としばらく何も出てこなくなったところで腹ごしらえ。

買い込んでおいた菓子パンや・・どら焼きw

ここではクロザルも見かけたが木のてっぺんを飛びまくりで写真なんか撮れない。
日陰なんだけどやはり何時間もいると暑く感じてきてミネラルウォーターを何度も頭からかけてクールダウン。ここには不思議と蚊はいなかった。

戻ると凄い牙を持ったオスが2頭。
頭蓋骨に突き刺さっているようにも見える。
どうかしてる。
いくらモテたいとはいえ、もうちょっと気をつけて伸ばした方がいいと思う。

若く小さな個体だが牙がある部分が膨らんでいるようにも見える。
これが皮膚を突き破る直前の状態かもしれない。
ボクのバビルサも早く皮を突き破ってほしい。

これはメスと子供。
不思議なのがオスは木陰でコソコソ泥水を飲んでいるんだが、
メスと子供は意外と平気で写真の撮りやすい位置まで出てきてくれる。
普通が逆だと思うが・・
人間もオンナ子供の方が度胸が据わっていることも多いしそんな感じなのだろうか。

15時のリミットまであと15分のところで息の荒いオスが現れた。
まさか・・
ココでオス同士のぶつかり合いが見れたら最高なんじゃないかと思った瞬間!!!

2頭が激しく突進。
よく見ると後ろにはメスが何頭もやってきている。
この時、宝塚のフィナーレのようにどんどんバビルサが集まってきた。
ちなみに宝塚は見たことがないのでイメージで話してます。

激しい。ブルブルとうねり声を荒らげ何度も突進。
ゲームセンターで別々に遊んでいたヤンキーが、女の子のグループが来た瞬間、カッコつけようと喧嘩を始めるような感じだ。感じなのか?

沼地だから足元はぐちゃぐちゃ、顔から落ちて顔は泥まみれ。
水飛沫も上がりとにかく迫力満点だった。

最後は4頭のオスが睨み合いそれぞれ去っていった。
それぞれ牙の大きさや形は違う。
しかし戦う目は全く同じ野生の目。

人間に餌付けされ飼い慣らされたお行儀がいい家畜にはない目、そして個性豊かな姿。
子孫を残すために危険を避けないで戦う姿。
これこそが、ボクが野生の動物を求め、この目で見たいと思うものだと思います。

人間社会の中で今どんどん取り除こうとしている姿です。
後何年地球上で見られるのかわからない姿です。
戦ってオンナを奪うなんて話をしたら笑われるような世の中です。

たった6時間半のために、何日もかけてここに来た意味はありました。
自分が無知であることが感じれる時間でもあり自分が生きている世界が狭いことを感じれる時間。
夢のような時間でした。

満面の笑顔で宿に戻るとバビルサが見れたことが伝わったんでしょう。
満面の笑顔を返してくれる隣の親子。

ご飯を作って運んできてくれました。

サッポロ一番塩らーめんのような味の麺をラーメンライス風にいただきました。
涙が出るほど美味しい。まぁ辛くて涙も出たんですがw

17時に出発。ここでジャイアンにひとつ提案しました。
「今からホテルに泊まって明日10時間以上かけて移動してタンココに戻ったらジャングルって夜しか入れないよね?」
「そうです」
「じゃあさあ、ホテル泊まらずに夜通し車で走ったら明日の朝タンココに着くよね。それからだったら一日中ジャングル入れるからそうしない?」
「車移動も疲れますよ?休まずにジャングルに入っても大丈夫ですか?」
「ボクは大丈夫よ問題ない、でもドラえもんが今から朝まで運転し続けるのが大変なんじゃない?」
「ドラえもんは問題ないです」
「じゃ!そうしよう!」

凄い・・ドラえもん19歳。
夕方17時に出発して朝の7時まで走り切りましたw

もちろんジャイアンとボクはその間、車で爆睡です。
