
フランスとスイスとの国境をなすレマン湖。
その美しいコバルトブルーの水面に咲く一輪の花。

今日の1枚は、名店てんやの作品「ロース豚天丼」です。

1枚1枚の花びらを美しく、そして丁寧にまるで命を吹き込むかのように彩られ繊細な箸使いが伝わってきます。
「ロース豚天丼」という正式名称があるにもかかわらず誰もそう呼びません。
ゴージャスな美しさに世界中から「ロースガーデン」と呼ばれ愛され続けています。

赤身が多く華やかなロースは観賞用としてもじゅうぶん魅力的ではありますが中世にはロースオイルとして香りを楽しんだと伝えられています。
しかしながら当時のヨーロッパ諸国で貴族に愛される傍らロースの美しさや芳香が「人を惑わすもの」として教会によってタブーとされた時代でもありました。

日本に多くロースが入るようになったのは、やはり明治以降ということになります。
当時は高嶺の花と呼ばれ皇族・華族・高級官僚などに愛されるだけでしたが今日では一般家庭にも浸透し庶民の味として親しまれるようになりました。

てんやの「ロース豚天丼」はサラリーマンのランチタイムを彩るエディブルフラワーなのです。
(※ あたりまえですが全部デタラメです。)
天丼 てんや 渋谷地下鉄ビル店 (天丼・天重 / 渋谷駅、明治神宮前駅、神泉駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.5